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病床の賢治の込められた思い 「雨ニモマケズ」

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病床の賢治の込められた思い 「雨ニモマケズ」

宮沢賢治が亡くなった翌年の1934年2月16日、東京・新宿で「宮沢賢治友の会」が行われました。
この会合に賢治の弟・宮沢清六が招かれ、賢治の遺品である大きな革トランクを持参してきました。
席上、参会者の誰かがこの革トランクのポケットから黒い手帳を取り出しました。
手帳は全166ページ、賢治の自省や当時の願望がつづられていました。
その51ページから59ページにメモ書きされた、ある一編の詩が参会者の目に留まります。
「雨ニモマケズ」が初めて人目に触れた瞬間でした。

 

1931年9月、賢治は砕石工場の営業で訪れていた東京で、高熱を出して倒れます。
花巻に戻った賢治は病床生活に入り、11月にこの「雨ニモマケズ」を書きました。
病気で体を思うように動かせない賢治の、祈りに近い願望が込められているような気がします。
賢治は徹底的に推敲を重ねること特徴で、一旦完成した後も次から次へと書き換えられて、別の作品のようになってしまったこともあります。
なので、多くの作品が死後未定稿のまま残されました。
手帳に殴り書きされた「雨ニモマケズ」は、賢治にとってはほんのメモ程度だったのかもしれません。
それでも、100年近くたった今でも多くの人に感動と生きる勇気を与えてくれるこの詩は、賢治の代表作の一つだと思います。

今回の読み聞かせは、長年この詩を絵本化したいと願い続けていた画家、松成真理子さん挿絵の絵本を使わせてもらいました。
松成さんの黄色と緑の色づかいが印象的で、賢治の素朴で実直な感じがそのまま絵になったようです。
今回がちょうど30本目の動画なので、好きなこの詩を選びました。
ぜひ、素敵な挿絵と一緒にお楽しみください。